モリノスノザジ

 エッセイを書いています

2018-01-01から1年間の記事一覧

プレゼントに最適な日

「性夜」と揶揄されることもあるクリスマスだが、クリスマスに関連するあれこれをきっかけにケンカするカップルは、しあわせなクリスマスを過ごすカップルと同じくらい多そうだ。クリスマスはふたりで過ごすのか、という問題からはじまり、デートはどこに行…

ヘンテコポエムにならないために

『「何者か」になれると思っていた。35歳女性が考える「29歳問題」(telling,) - Yahoo!ニュース』という記事を読んだ。もともとは、ミレニアル世代の女性をターゲットとしたWEBメディア「telling,(テリング)」に掲載されたものらしい。テリングの特集ペー…

クリスマスおめでとう

街で髪を切って、新しいパンツを2枚買った。母は年末が近づくと子どもたちに新しいパジャマと靴下、上下の下着を買い与え、大みそかの夜、私たちは全身あたらしいもの尽くしで眠りについた。「元旦には新品を下ろす」というその習慣が一般的なものなのか、…

アンサー

ブログの記事投稿画面に表示された広告なんですけど、やっぱ最近の広告って進化してんだなって s-f.hatenablog.com

連休を攻略せよ

朝日新聞デジタルの記事によれば、来年のゴールデンウィークが10連休になることについて45%の人が「うれしくない」と感じているらしい。たしかに、みんながみんな手放しでよろこべるほど単純な話ではないんだろう。日給で働いている人は給料が減るというの…

スマートじゃないほう

ふと昔の携帯電話のことを思い出して、ああ、昔の携帯電話はよかったな、と思う。 まず、一台一台に個性があった。スマートフォンを持つまでに3台の携帯電話を持ったけれど、捨ててから10年以上経つ今でもはっきりと覚えている。シルバーの安っぽい機体にこ…

ぽりぽりフレグランス

「無くて七癖」というけれど、たしかに癖はあるものだ。話をしていて何かを思い出そうとするとき、電話での話中に頭を掻く癖。考え事の最中に、右手の第二関節で鼻の下をこする癖。どうやら私には掻く・こするタイプの癖が多いようで、それ以外にも身体じゅ…

和服の国の人だけど

最近、OPECのことが気になっている。ニュース番組でOPECと聞こえたら洗い物の手を止めてテレビに見入ってしまうし、新聞を開けばOPECの記事をさがしてしまう。こう言うとなんだか恋のようでもある。 OPECといえば、サウジアラビアなど10の石油産油国によって…

モテるタイプとモテないタイプ

関連記事:「休みの日って何してる?」 「休みの日って何してる?」って聞いてくる人がどんな答えを求めているのかわからない、という記事を書いたところ、水辺のgotoさんからコメントを頂戴した。水辺のgotoさん、ありがとうございます。うれしいです。コメ…

「休みの日って何してる?」

「休みの日って何してるの?」って聞かれるのが苦手だ。質問の意味がわからないわけじゃない。自分のことなのだから答えを知らないわけもないし、正直に話せないようなやましいことをしているわけじゃない。人に理解されないような趣味を持っているわけでも…

あたたかい冬

テレビで昨日の福岡の最高気温は25度とか言っていて、それが福岡的にどうなのかはわからないのだけれど、北海道でもやはり雪ではなくて雨が降っていて、やっぱりこれはふつうではないのだろう。あんまりあたたかいので自分の感覚が信じられず、寒くもないの…

「ふーん」じゃないならなんなんだ

東京へは年に何回か行く。というか、年に何回か上野に行く。上野に行くとたいてい上野公園を通る。上野公園にはいろいろな種類の人がいる。路上にパフォーマーがいてそれを行きずりのカップルが見ていたりとか、普段の生活では互いにまったく関わりのなさそ…

取っとくタイプ

ショートケーキの苺も、あたらしい靴下も取っとくタイプ。弁当のおかずは唐揚げを、熱いコーヒーは一日の終わりに取っとくタイプ。もらったノベルティのメモ帳にボールペン、一枚しか使ってないトレーシングペーパーの余りも取っとくタイプ。一度も見返した…

ねむい

雨が降っていそうな朝は地下通用口をえらんで会社にはいる。仕事のメールにさっと目をとおして、適当な返事を返す。お弁当にはトマトがはいっている。栄養バランスと彩りを考えてのことだ。電車の扉がひらいたら、降りる人のためにすこしよけて道をつくる。…

全日本家事大会開催のおしらせ

「これは、」とおもうのは―――。使い終わったハンガーを洗濯かごに片付けるついでに、取り換えたまくらカバーを洗濯機に放り込むとき。小鍋でかぼちゃを煮ながら料理中にでた洗い物を片付け、そのとなりで唐揚げ用の肉が特製のタレのなかでねむっているとき。…

びよんど

なにもはいっていない空のマグカップを手に取るみたいな無造作さで電子レンジからマグカップを取ったものだから、カップから熱い牛乳が漏れて私は親指のつけ根をやけどした。そうだ、牛乳を飲もうとしたんだ、と私は気が付く。この間のサンマのことといい、…

スーパードライにつめたくて

診断を免れるためならドーピングだってした。日ごろから用心して対策をしてきたし、今度こそは間違いなくわからないと思った。けれど日々の生活で積み重なった乾燥は私の角膜に深い傷をきざんでいて、医師の鋭い目はごまかせないのであった。 眼科に行くたび…

ようこそネガティブの国へ?(2/2)

(前の記事:ポジティブ・リバウンド) こうして道半ばでネガティブ治療を断念することとなった私であったが、冷静になって考えてみると、ネガティブは本当にそんなに悪いものなのだろうか。 あわただしかった日々のすべてが終わり精神的にも落ち着いた今に…

ポジティブ・リバウンド(1/2)

一日に何度も死ぬ ところを想像する。地下鉄駅から地上へ上るエスカレーターに乗りながら、これが突然停止して、私の前に立っている人たちがごろごろ転げ落ちてきたら圧死だな。とか、スパイク付きの杖をつきながら雪道を歩くおじいさんが、ころんで、後ろを…

おたのしみはおわらない

(関連記事)広告進化ろん 二日連続でピザの広告を入れられたあげく(一日目と二日目は別々の店だけど)、玄関に三枚目の広告を投げ込まれたことで完全なるピザ受け入れ態勢となってしまった私は、ピザをつくることにした。 ピザのつくりかたを知ってからは…

広告進化ろん

ここのところ、インターネット広告が進化している。以前は、健康食品とか車とか、まったく興味のない商品の広告をみせられることも多かったけれど、最近は私の関心を狙い撃ちにしたような広告が増えてきている。しかもその精度もかなり上がってきているよう…

季節は水道管をつたって

ある日帰宅すると、ポストに紙が入っていた。市の委託業者が置いていったその紙には「漏水の可能性があります」と書かれている。確認してみると、トイレの水がちょぼちょぼと流れ続けていることに気が付いた。 さらに10月の検針票を見ると、水道料金が前回と…

王子のいないプリンセス

あるところに、ひとりの女の子がおりました。女の子と王子さまが結婚すると、王子さまははじめに、王子をやめて大工さんになりました。大工さんになった王子さまは、長い時間をかけて女の子と二人で暮らすためのお家をつくりました。 お家を建てた王子さまは…

サンマがうまい

ここのところ毎日サンマを食べている。仕事帰りにサンマを一尾だけ買って帰る日が続いて、そうしているうちになんだかそれが特別な行為のように思えてきた。 サンマの前はリゾットにはまっていて、4種類くらいのリゾットを毎日朝と晩に代わりばんこに食べて…

スキップ、スキップ → ランランラン♪

社会人のみなさんは、最近いつスキップをしましたか?私はしています、スキップ。 前にスキップをしたのは10年前…いや20年くらいはしていないかもしれない。大人になってスキップをしようと思い立ったのは、スキップが身体の老化を防ぐための簡単な方法とし…

「平成の夏」が思い出になるとき

ここのところ、「平成最後の8月」だとか、「天皇陛下が〇〇を訪問するのは最後」なんていう報道を耳にすることがあって、ああそういえば最後なんだな、っておもう。あと9カ月で元号が変わるというのにちっとも実感がわかなくて、「平成最後の6月」も、「…

ステルスご当地のススメ

父は、旅先でスーパーに入りたがる。普段通っているスーパーとは品ぞろえが違うのが面白いらしい。 たしかに、最近はスーパーにもお土産品が置いてあったり、地元の酒蔵の商品をあつめた特設コーナーがあったりする。簡易包装で比較的安価であったりもして、…

豆苗の罠

豆苗は食べておいしく、育ててたのしい野菜です。 毎朝駅のホームで顔を合わせはするけれど、一度も挨拶をしたことがない人。豆苗に関してはそんな認識だった。スーパーでいつも見かけはするけれど、いっしょに置かれているスプラウト系の野菜との違いもわか…

ハラスメント・スイッチ

夏は海岸に打ち寄せた波が引いていくように8月を通り過ぎていった。夏ではなくまだ秋でもないこの季節は半袖でもぐりこむ毛布がすばらしく、いつもなら一番好きな季節なのだけれど、私はここのところ疲れて落ち込んでいる。仕事に行くたびに嫌な気分になっ…

貝がらをひろって歩く

昨日、小さな劇団の公演を見に行った。 演劇を見るのは大人になってから初めてだ。いつも省エネ運転で生活している私にとって役者さんのパワーは圧倒的で、すこしくらくらするような気持ちで地下鉄に乗りながら、そのパワーの一部を分けてもらったようにも感…