モリノスノザジ

 エッセイを書いています

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「芸能人だと誰に似てるって言われる?」

スマホで顔を撮影すると、似ている芸能人が判定されるアプリ(そっくりさん)をダウンロードしてあそんでいた。あそぶもなにも、一回判定したらそれで終わりでしょ?と思いきや、俳優やアイドル、アナウンサー、Youtuberなど判定ジャンルが複数設けられてい…

「ふつう」について、Yahoo!知恵袋がおしえてくれたこと

ときどき明日のことやいまここにはないなんだかよくわからないなにかのことが不安でさみしくて、なにもしたくなくて、ひどくそわそわしているときがあって、そういうときは本を読んでもちっとも頭に入ってこないし、眠ることすらできなくて、手癖のようにス…

本棚のコカイン

このごろ話題になっているコカインというやつを、本棚から取り出して私も味わってみる。船山信次『〈麻薬〉のすべて』は新書という手軽な形態でありながら、麻薬全般に関する基礎知識や主な薬物の歴史、作用、社会での受け止め方など基本的な事項を網羅して…

飲み会をがんばらない

若いころは、飲み会では面白いことを言えなくちゃって思っていたし、お酒を飲んで羽目を外せるのはいいことだと思っていた。酔いの力で破壊的に場を盛り上げながら、他人に迷惑をかけないようにふるまえる人にうっすらあこがれていた。 飲み会という場におい…

プラスチックのイヤリング

エレベーターに乗り合わせたたくさんの客たちのなかに彼女はいた。学校指定と思しき濃いグレーのピーコートに黒っぽいジーンズ、黒ゴムで束ねたハーフアップ、すこし浅黒くて化粧っ気のない肌。黒いインナーのハイネックはへろへろに伸びていて、首元にちい…

顔が「ほんとう」?

眼鏡をはずして声だけのニュースを聞いていると、メイ首相の声がひどくガラガラで驚いた。低くしゃがれていて、まるで映画の悪役だ。イメージ命の政治家としてこの声は良いのだろうか、いやむしろ声は変えられないのだから、こんな悪役声でよくも政治家にな…

超・超・超音速飛行機

1月19日の朝刊に、アメリカのトランプ大統領が発表した「ミサイル防衛見直し」に関する記事があった。「ミサイル防衛見直し」はアメリカのミサイル防衛に関する中長期的な指針を示す戦略文書であり、ここでは宇宙空間を活用したミサイル防衛の強化が掲げられ…

Tシャツのヘンな英語をわらうな

水の流れに逆らって滝を上流へ上っていく鮭のように私は黒いかたまりのなかを上へ上へと歩いていて、何かと思ったらそれは通勤ラッシュのさなかの駅の階段なのだった。押し合いへし合う黒コートの隙間に鮮やかな色合いの紙袋がふっとあらわれて、そこに『BLO…

☆゚+.ステップアップ☆プリキュア(30%)+.☆ ゜

銭湯や旅館の大浴場で見かける中高年はたいてい腹が出ている。脚や腕はガリガリなのに腹だけ出ているところを見ると、太った結果からだにつくぜい肉とは違う類の肉のようだ。痩せていながら腹だけが飛び出ている人を見ていると、なんとなく地獄絵図に描かれ…

夢からの箴言

やたらはっきりした夢を見て、夢の内容がショックだった。休日なのに午前4時に目が覚めた。二度寝はした。 私の詠んだ歌が他人に批評されていて、その歌には「死ね」という言葉がふくまれていた。現実で私自身が詠んだ歌ではないので詳細は不明だが、ジョー…

Dear My Chair(and Honey!)

「私のどこが好きなの?」に対する最良の答えはなんなのかという問題の答えに、人類はまだ到達していない。容貌をほめるのか?努力を称えるか?性格のよさを評価するか?それともファッションセンスを?能力を?経済力を?それとも「ぜんぶ」と言う? 残念な…

フレッシュわんこPC

職場にあたらしいPCが入った。あたらしいPCは、以前のよりも画面が大きく、動作も速くてこころなしかディスプレイの発色もいい、あたらしいPCだ。 そして、あたらしいだけではなくてとてもフレッシュなPCだ。どういうわけだか彼は、メールを送信しようとする…

未来予想図は描かない

これを地図なき道を行く、なんて言えたらかっこいいのかもしれないけれど。 京都で学生時代の友人たちと会っていた。大学を卒業してから何度か、場所を変えて集まっている。一度目は石川、二度目は長野、三度目は兵庫、そして今回は京都。均質でどこまでもつ…

共感性のマーカー

文章を書くとき、無意識のうちにことばを使い分けていることがある。たとえばこの文章、過去形ではなくて現在形にしたのはなぜだろう?主語が「ことば」ではなく、「私」なのは?そして、その主語の「私」が実際には省略されていて、文章のなかに直接現れな…