モリノスノザジ

 エッセイを書いています

珈琲中毒

「病は気から」ということばがあるけれど、たしかに心のありようは身体に影響する。というか私の場合、身体は自分でもあきれるくらい心の言いなりになりっぱなしなんだ。ささいなことでも、嫌なことがあればとたんに食欲がなくなるし、ちょっとでもへこんだ…

ふたつの答え

なんだかここのところアニメだとかゲームだとか、自分の好きなものに関することばかり書いている気がしている。他に書くことがないわけでもなければ、ブログで自分の嗜好を漏らすのに味を占めたというわけでもない。幸福なことにここのところは、生きていく…

街中のハミング

それなりに大きくなるまでの間ずっと、鼻歌は自分にしか聞こえないものだと思いこんでいた。きっとだれに教わるでもなく自然にハミングを習得したものだから、他人がしているのを聞いたことがなかったのだろう。 そんな勘違いもどうやら私だけではないらしく…

進路希望に書かない職業

将来の夢を考えるひとつの材料にしましょう、と教師は言った。適職診断。「実は涙もろいほうだ」とか「あたらしいアイデアを考えるのは得意な方だ」だとか、そんな質問に100ばかり回答すると、電算システムによる処理を経て一か月後に「分析シート」が配られ…

やたらとカッコつけるマン

自分が書いたメールを読みかえして、やれやれと思う。それは業務メールでも個人のメールでも同じ。なんならブログの文章だって気を抜くとそうだ。私はやたらと『(かっこ)』を使いすぎる。たとえばこんなふうに。 ・ 明日の午後は〇〇で研修のため不在です…

名探偵ピカチュウ

※映画『名探偵ピカチュウ』等に触れていますが、ネタバレはありません 一時期ボリウッド映画にハマって、インドから取り寄せたDVDを英語でみたりもしていた。インド映画の好きなところは、ストーリーの筋がまっすぐで安心できる結末が待っていること、大人数…

平成の苺大福

ガチャガチャを見かけるとついつい引き寄せられてしまう。いまでは多くのマシンで価格が200円、なかには300円や500円に設定されているけれど、昔は100円のものがほとんどだった。小学生のころ、ゲームショップや本屋の店頭に置かれたガチャガチャになけなし…

きちんと散財

今年も無事ボーナスの時期がやってきて、こころもち財布の紐がゆるみがちになる。それも、夕食に一品小鉢を追加するだとか、ピザにチーズをトッピングするだとか、いつもよりちょっと高価な芳香剤を選んでみたり、Amazonでほしいものリストに入れている本を…

運命の日

2017年3月5日が運命の日、と占い師は言った。 正月なんてものは初詣とか親戚のあいさつだとか、そんなもろもろを済ませてしまえば案外退屈なもので、あまりにも退屈なものだから普段だったらやらないことをやりたくなる。一念発起してジョギングを始めたり、…

豆子、私に香水を

めずらしく、学生時代の友人から連絡がきていた。先日高校時代の同級生と入籍したこと。そして、お相手の方の親族のご意向で、友人にとって異性である私は結婚式に招待できないことが書かれていた。 そんなにショックということもなかった。そういうこともあ…

そんなにかんたんじゃない

天気がいいので朝から洗濯をした。買い出しをして、月曜から職場に持っていく弁当のおかずをつくり終えたところでだいたい乾いている。なんとなくすがすがしい気分になりたい気分だったので、玄関マットだのキッチンマットだの、マットと言うマットをすべて…

お題対策室(りっすんブログコンテスト)

今月16日からエントリーがはじまった「りっすんブログコンテスト」。初日からたくさんのはてなブロガーが記事を寄せていて、読んでも読んでも読み切れないほどだ。けっして賞金20万円につられたわけではないけれど、コンテストなんて言われるとわくわくする…

めとめとスナップ

2、3週間前からグラフィックソフトの自主トレーニングをしているのだけれど、どうもぴったりこない。いや、ピッタリしすぎるのだ。画面上に描いたふたつの図形を近づけると、磁石みたいにくっついてしまう。いやいや今はくっつかなくていいとき、と、カーソ…

母親

「おかあさんが私の中学校のジャージを寝巻にしててヤダ」っていうあるあるがあって、私には特にそれに該当する思い出はないはずなのになんとなく理解できてしまう。私の母は子どもたちのジャージを寝巻にはしなかった。けれど、母は若いころに着ていた服を…

満員電車で踊るには

朝は、Serani Pojiを聞きながら通勤する。 セラニポージは、ゲーム『ROOMANIA#203』に登場する架空のアーティスト。ゲームの主人公・ネジタイヘイはセラニがお気に入りで、放っておくと勝手にセラニポージのCDを聴きはじめたりする。「やっぱセラニはいいな…

野性にロック

かつてチワワが流行ったそのころから、チワワ駄目だなーって思ってた。女性でも軽々と抱き上げられそうな小さなからだ。細い手足。おおきくてうるんだ瞳。それに犬として持ち前のなつっこさときた。あんなにいじらしい動物はほかにいないだろう。あんな生き…

雨をレコードに変える街

平成から令和へ変わるお祝いの、そしてこれまでにない10連休の記念すべき―――翌日。5月7日の朝は雨だった。うすぐらい未明に雨が降りこめていて、それはとても完璧だった。ざあざあでもしとしとでもぽつぽつでもなく、じとじとでもさーさーでもない。完璧な雨…

カワハギ解消法

三味線にはいつまでも納得がいかない。あの白い銅の両面には犬や猫の皮が使われているというけれど、ほんとうだろうか?犬や猫の、いったいどこの部分が?実物の猫に毛が生えていることを差し引いても、生きている猫の皮とは似ても似つかない。猫のお腹、毛…

アダルトが開花する

連休明けてさいしょの二連休にさしかかったいま、10日間の長さをはじめて感じる。7日間分の埃を掃除機で吸い取り、洗濯かごの衣類を洗って干して、ベッドカバーを整え、風呂にトイレに洗面台の掃除。日曜日はアイロンがけと料理の作り置きで一日の半分が終わ…

ラリーしようよ

「クイズ番組を一緒に見てても面白くない人」についてsotto_voceさんが書いていたので(①)、たしかに誰かと一緒にクイズ番組を見るときの適切なふるまい方というのは難しい問題だと言及したところ(②)、ふたたびsotto_voceさんが補足を書いてくださってい…

グレーゾーンとしての障害について

かつては福祉関連の仕事についていて、職業柄、障害のある人と接する機会も多かった。関わりが多かったのは、おおざっぱに言って精神障がい者と言われる方たちだ。「障がい者」と言えば大仰だけれど、彼らと会話し、彼らを支援する医療関係者らと関わりを持…

失われた7日間について

初日とその次の日、凍えるような天気の下を旅行しただけで、バーベキューも花見も手作りパンもキャンプもなくただただ長い休日を過ごしている。それでも思い立って書店に出かけてみたりするのだけれど、出かけるだけでなんだか眠たくなって、何も買わずに帰…

正解はどちら?

sotto_voceさんが「クイズ番組を一緒に見てても面白くない人」について書いていた(クイズ番組を一緒に観てても面白くない人 - もの知らず日記)。「当たったことを自慢する」、「わからなかったことを調べる」あたりはまだ許容範囲か。しかし、「調べた結果…

都合のいい脇役になりたい

バブル時代に存在したと言われる、いわゆる「キープくん」。「アッシー」とか「メッシ―」、「ミツグくん」と呼ばれる彼らの存在を知ったときには、とてもかなしい気持ちになった。女性にとって彼らは愛情を注ぐべき本命の彼氏ではなく、必要なときに都合よく…

せかいは文字であふれてる

ふと気になって書棚から取り出したのはロゴづくりの本。ロゴのことはよく知らない。そもそもロゴってなんだろう?Googleの検索画面を開くと表示されるあのカラフルな文字。アディダス製のジャージの胸元についている「✓」やスタバの人魚は文字じゃないけどロ…

緩衝ガール

視覚・触覚・嗅覚・味覚・聴覚はぜんぶひっくるめて「五感」なんて言われるけれど、たぶん対等ではない。「四天王」と言っても弱いのから順番に主人公から倒されていく、その序列があるように、五感にも序列がある。たとえばいくらおいしいモノでも鼻をつま…

斜めの部屋

明るいトイレはにがてだ。…いや、にがてではないな。きらい、でもない。もったいない、でもない。もちろん許せないなんてこともない。どうしてだかわからないけれど、トイレの明かりは点けない。幼いころからそんな習慣で、朝や夕方のうす暗いトイレも平気だ…

春に試されている

クロッカスも桜も咲かないうちに会社にだけは春がきて、新年度とかいうやつ。人事異動に飲み会に、残務整理、引継ぎ、年度末締め。そういう「いつもと違うこと」に圧迫されている。そういった環境の変化が、どうやら今年は夜眠れない方向に作用しているらし…

おしゃれも戦略から

おととい、約一年ぶりにコンタクトレンズを装着した。うんざりである。ひさしぶりにコンタクトを着けるそのたびに、眼鏡越しにぼんやりと見ていた自分の顔とはっきりとした視界にとらえる自分の顔とのギャップに息が止まりそうになる。唇の縁、粘膜から皮膚…

モテは財産

書棚に伸ばした手と手がふれあって、アラ、ドキ。お互いに顔を赤らめながら本を譲り合ったりして、どういうわけだか場所は喫茶店に移りその本の著者の話に花を咲かせている。帰り際にはしっかり連絡先を交換したりして、なんだか何かがはじまりそうな予感―――…