モリノスノザジ

 エッセイを書いています

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

あたらしいことばを手に入れた

色相環。っていうのか、いろいろな色がぐるっと輪になったあの図が苦手だ。正確に言えば、色相環があるところにつきものの色彩理論。色相に彩度に明度。色はとても感覚的なもののように思えるのに、色を語ることばは理屈っぽくて難しい。たとえば見る人の目…

珈琲中毒

「病は気から」ということばがあるけれど、たしかに心のありようは身体に影響する。というか私の場合、身体は自分でもあきれるくらい心の言いなりになりっぱなしなんだ。ささいなことでも、嫌なことがあればとたんに食欲がなくなるし、ちょっとでもへこんだ…

ふたつの答え

なんだかここのところアニメだとかゲームだとか、自分の好きなものに関することばかり書いている気がしている。他に書くことがないわけでもなければ、ブログで自分の嗜好を漏らすのに味を占めたというわけでもない。幸福なことにここのところは、生きていく…

街中のハミング

それなりに大きくなるまでの間ずっと、鼻歌は自分にしか聞こえないものだと思いこんでいた。きっとだれに教わるでもなく自然にハミングを習得したものだから、他人がしているのを聞いたことがなかったのだろう。 そんな勘違いもどうやら私だけではないらしく…

進路希望に書かない職業

将来の夢を考えるひとつの材料にしましょう、と教師は言った。適職診断。「実は涙もろいほうだ」とか「あたらしいアイデアを考えるのは得意な方だ」だとか、そんな質問に100ばかり回答すると、電算システムによる処理を経て一か月後に「分析シート」が配られ…

やたらとカッコつけるマン

自分が書いたメールを読みかえして、やれやれと思う。それは業務メールでも個人のメールでも同じ。なんならブログの文章だって気を抜くとそうだ。私はやたらと『(かっこ)』を使いすぎる。たとえばこんなふうに。 ・ 明日の午後は〇〇で研修のため不在です…

名探偵ピカチュウ

※映画『名探偵ピカチュウ』等に触れていますが、ネタバレはありません 一時期ボリウッド映画にハマって、インドから取り寄せたDVDを英語でみたりもしていた。インド映画の好きなところは、ストーリーの筋がまっすぐで安心できる結末が待っていること、大人数…

平成の苺大福

ガチャガチャを見かけるとついつい引き寄せられてしまう。いまでは多くのマシンで価格が200円、なかには300円や500円に設定されているけれど、昔は100円のものがほとんどだった。小学生のころ、ゲームショップや本屋の店頭に置かれたガチャガチャになけなし…

きちんと散財

今年も無事ボーナスの時期がやってきて、こころもち財布の紐がゆるみがちになる。それも、夕食に一品小鉢を追加するだとか、ピザにチーズをトッピングするだとか、いつもよりちょっと高価な芳香剤を選んでみたり、Amazonでほしいものリストに入れている本を…

運命の日

2017年3月5日が運命の日、と占い師は言った。 正月なんてものは初詣とか親戚のあいさつだとか、そんなもろもろを済ませてしまえば案外退屈なもので、あまりにも退屈なものだから普段だったらやらないことをやりたくなる。一念発起してジョギングを始めたり、…

豆子、私に香水を

めずらしく、学生時代の友人から連絡がきていた。先日高校時代の同級生と入籍したこと。そして、お相手の方の親族のご意向で、友人にとって異性である私は結婚式に招待できないことが書かれていた。 そんなにショックということもなかった。そういうこともあ…

そんなにかんたんじゃない

天気がいいので朝から洗濯をした。買い出しをして、月曜から職場に持っていく弁当のおかずをつくり終えたところでだいたい乾いている。なんとなくすがすがしい気分になりたい気分だったので、玄関マットだのキッチンマットだの、マットと言うマットをすべて…