モリノスノザジ

 エッセイを書いています

☆゚+.ステップアップ☆プリキュア(10%)+.☆ ゜

 プリキュアになりたい。なんてったって、pretty(かわいい)かつcure(癒し)なのだ。職場にいたらモテるタイプである。才色兼備とか文武両道、眉目秀麗みたいないかにも隙のないキャリアパーソンがあこがれの的だった時代は終わった。これからはpre・cureがモテの代名詞となるのだ。

 とはいえ私とプリキュアとの距離は遠い。いったいどうすればプリキュアになれるだろうのか、と考えながら真っ黒なPCディスプレイに目を向けると、そこには瞳に生気を欠いた私の顔が映っていた。

 本家プリキュアと違って立体的な顔立ちの私はまぶたもやはり立体的で、そのまぶた一定の厚みのしたで瞳はどこまでも黒かった。ああ、これはプリキュアじゃない。プリキュアはこんな瞳をしていない。これではプリキュアになどなれるはずがない。

 試しに、ディスプレイから目を離さずにゆっくりと顎を持ち上げてみる。ある高さを過ぎると、瞳にチラッと光が差す。ああ、そう。こんな感じ。本家プリキュアはこんなふうに瞳が輝いているし、瞳に光があるほうがどうみたってprettyだ。これからは、もうすこし顔を上げて生きよう。瞳に光を宿して生きていこう、と決意する。

 すこしだけプリキュアに近づいた気がした。